2017年に読んだ397冊から,オススメ10冊を厳選する

今更ながら,昨年 (2017年) に読んだ本を数え上げてみたところ,
私は一年間で397冊読破していた事が判明した。
この記事では,その397冊から,オススメの10冊を厳選して紹介したい。

 

福沢諭吉『現代語訳 福翁自伝

現代語訳 福翁自伝 (ちくま新書)

現代語訳 福翁自伝 (ちくま新書)

 

勉強する気が起きない人にオススメ。

斎藤孝先生の著書で推奨されていた一冊。
明治の頃は書物が貴重だった。明治の知識人たちは,その貴重な書物を何とかして手に入れ,それを貪り食うように読んだ。そうして,血肉とした知識を基に,日本の経済・文化・知的水準を大きく引き上げるのに貢献した。片や我々は,どんな本でも簡単にAmazonで取り寄せられるが,大して読書も勉強もせず,凡庸に日々を送っている人が大半だ。現代人こそ本書を読み,自分が如何に恵まれた学習環境にいるかを自覚し,明治の人々のハングリー精神に感化される必要がある。

 

②伊藤祐靖『国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動』

平穏な毎日に物足りなさを感じる人にオススメ。

全く違う世界に生きる人間の,生き様・思想を垣間見ることが出来る。自分は何の為に生きているのか。そして,何の為なら死ねるのか。という根源的な問いを,喉元に突きつけられる。一方で,筆者の常人離れした思想・経験談は,もはや漫画『グラップラー刃牙』の世界の様で,純粋に読み物としても面白い。

 

服部正也『ルワンダ中央銀行総裁日記』

ルワンダ中央銀行総裁日記 (中公新書)

ルワンダ中央銀行総裁日記 (中公新書)

 

何かを成し遂げたい人にオススメの一冊

ルワンダに出向した銀行員の奮闘記。筆者は,今のベンチャー起業家の様な派手さはないが,ベテラン銀行員としての知識・経験を武器に,ルワンダの経済を再建していく。私利私欲を排し,ひたすらルワンダの人々の為に奮闘する筆者の姿勢に,心を打たれる。古き良き日本人の実直さも,捨てたものでは無い。

 

佐藤健太郎『ゼロリスク社会の罠』

「ゼロリスク社会」の罠 「怖い」が判断を狂わせる (光文社新書)

「ゼロリスク社会」の罠 「怖い」が判断を狂わせる (光文社新書)

 

文系の人に読んで欲しい一冊

ニュース等で,理系の専門家が「〇〇な可能性が無いとはいえない」とか「リスクは無いとは言い切れない」といった曖昧な返答をして非難されることがある。しかし,理系の人間にとって,断定できない事に対しては,こういった曖昧な言い方をすることこそが,「正確」に伝えることなのだ。こういった風に,理系人間が世の中に対して抱えるもどかしさを伝えるのが,この一冊である。万人がもうちょっと理系的思考を身に付ければ,色々な物事が解決すると思うのだが...というのは理系人間の我田引水だろうか。

 

架神恭介,辰巳一世『よい子の君主論

よいこの君主論 (ちくま文庫)

よいこの君主論 (ちくま文庫)

 

支配者になりたい人は必読。

もし男子小学生がマキャヴェリの『君主論』を読んだら,という内容。個性的な面子が跋扈するクラスを,『君主論』を武器に制覇する男子小学生の話。めちゃくちゃアホな内容だが,『君主論』にはかなり忠実に沿っている。騙されたと思って読んで欲しい一冊である。

 

本谷有希子『腑抜けども,悲しみの愛を見せろ』

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)

 

人間の醜さと美しさを味わえ

佐藤優氏が推奨していた一冊。強烈なキャラクター達の個性と個性が絶えずぶつかり合い,ギシギシと不快な音を上げながら,暴走列車の様に突き進んでいく。テキトーな感想で申し訳ないが,「なんか良く分からないけど凄いものを読んでしまった」という読後感の一冊。

 

レイ・ブラッドベリ華氏451度』

本を読まない人にこそ読ませたい

読書が禁止された世界を描くSF小説。読書の重要性がこれほど分かる一冊は無い。しかしながら,本当にこの本を読むべき人間は,そもそも本など読まないという,悲しい現実がある。

 

架神恭介,辰巳一世『完全教祖マニュアル』

完全教祖マニュアル (ちくま新書)

完全教祖マニュアル (ちくま新書)

 

教祖になりたい人は必読

教祖として成功するためのマニュアルである。ジョーク本のようでいて,実は宗教の本質を鋭く捉えている。冗談ばかり言いつつも,目は全く笑っていない,そんな印象の本だ。なお,上で紹介した『よい子の君主論』と同じコンビが書いている。天才かよ。

 

高橋昌一郎『理性の限界』

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

 

初めて哲学を学ぶ人にオススメ。

対話形式で,古今東西の思想家達が「理性」について激論を交わす。平易な会話文で進むため,哲学の知識が無くとも読める。高校生でも,難なく読めるだろう。また,ユーモア満載で,楽しみながら読める。続編の『知性の限界』および『感性の限界』もオススメである。

 

中村文則『銃』

銃 (河出文庫)

銃 (河出文庫)

 

"純文学"をオシャレ感覚で楽しみたい人に

既に色んな媒体で紹介されている一冊だが,文句無しに面白いので,ここでもオススメさせて頂きたい。『銃』をきっかけに,中村文則にハマった時期があり,私も十数冊は読んでいる。中村文則の凄いところは,新刊の度に,新しい要素が組み込まれ,絶えず進化し続けているところだと思う。何を読んでも,「えっ,こんなのも書けるんだ」と驚かされる。まずはデビュー作『銃』を読み,中村文則ワールドを体感して欲しい。

 

 

以上が,397冊から厳選した10冊だ。
こうして振り返ってみると,他の著者に推薦されている本や古典的な名作には,ハズレが少ないという印象である。

なお,私が2017年に読んだ本の全リストについては、以下の読書メーターに記録している。
(意識高い蟹 - 読書メーター)