ブログは割に合わない?否、やらないのは大損である!~ブログを書く9つのメリット~

 ブログを書くことは、時給換算すると割に合わない。だから、ブログ書く暇があったら、バイトするなり、残業するなり、した方が良い。そんな記事を見かけることがある。

 だが、私はこの言説に、否と言いたい。

今、ブログをやらないのは損である。

 「ブログは割に合わない」と主張する人は、ブログのメリットとして「収入」という側面しか見ていない。確かに、金銭的な収入だけに着目すれば、ブログとは割に合わないものかもしれない。だが、ブログには「金銭的な収入」以外の、数々のメリットがある。収入はそれらのメリットの一つに過ぎない。むしろ、現代社会を生き延びる上では、ブログのもつその他のメリットの方が重要と言っても良い。

 この記事では、私の考える、ブログを書くことの9つのメリットを力説したい。

 

~ブログを書く9つのメリット~ 

 

1. 収益が得られること

 言うまでも無いが、まずは一般的に言われるところの、副業としてのブログの価値について述べる。冒頭で述べたように、ブログによる収入は、人気ブロガーでも無い限り、時給換算したら割に合わないことがほとんどであろう。

 かといって、収益が得られるという側面は、決して軽視すべき点では無い。もはや終身雇用のモデルが崩れつつある今、会社に頼らず自分で稼ぐ術を身に付けることは重要だ。片足立ちよりも、二本足で立った方が遥かに安定するように、本業以外に収益があることは、経済的・精神的な安定につながる。

 また、ブログの運営には、会社経営のエッセンスが詰め込まれている。ブログを書くことは、企業における商品の企画・開発に等しい。ブログ記事をいかにして広めるかを考えることは、会社でいう営業・マーケティングである。ブログで発生した収益の管理は、経理・財務にあたる。ブログには、会社に存在するすべての職種に相当する側面があるのだ。

 私自身、会社員として働いている。研究開発職であり、会社で営業やマーケティング、財務等、他の分野の仕事に携わることはまずない。だが、ブログ運営においては、それら全てを自らこなす必要がある。ブログを通じて、他部署の知識・スキルを身に付ければ、ビジネスマンとして一歩先を行くことができる。また、将来的には、ブログ運営から得られた経営スキルを、自らの起業に活かすことも可能だ。

 こうした"ビジネスを学ぶ場"としてブログが成り立つのは、何よりも"ブログから収益が得られる"ためである。このような観点から、私は"ブログから収益を得られる"ことが、とても重要だと思う。

 一方で、"収益源としてのブログ"という側面に囚われると、ブログのその他のメリットに目が向かない。結果「ブログは割に合わない」となる。以下では、"収益源"以外の、ブログのメリットを紹介していく。

ブログ飯 個性を収入に変える生き方

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2. アウトプット力が向上すること

 ブログを書くこととは、自分の頭の中にあるアイデアや考えを、他者が読み取れるよう、外部に言語化することである。この"アウトプットするトレーニングを積む場としてのブログ"は、非常に重要な側面である。

 会社でもプライベートでも、"アウトプットする力"は重要であろう。状況を正確に伝えること。他人にやさしく解説すること。自分の考え・アイデアを、他人に納得されること。自分が面白いと思う物事を、他人に布教すること。これらは皆、ブロガーが日常的にこなしていることである。

 しかしながら、多くの人は、余暇をゲームやテレビ、YouTube、音楽鑑賞、読書といった受動的なやり方で過ごしている。アウトプットする場が欠けているのだ。暇な時間をスマホゲームで潰している人々には、ぜひ「スマホを捨てよ、ブログを書こう」と言いたい。

結局、人生はアウトプットで決まる 自分の価値を最大化する武器としての勉強術

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3. 世の中にアンテナを張れること (インプットの量が増えること)

 昨日公開した平山夢明著『恐怖の構造』の書評記事の中で、平山氏の作家志望者への言葉を紹介した。今回の話にもつながるので、ここで再掲したい。

 重要なのは「書き手自身がどんなアンテナを張って、なにに気付くか」です。 才能のある人間というのは、何気ない日常の中でも圧倒的な量の情報を吸収します。

 作家になるのは誰でもできます。ただ続けていけるかどうかはこのアンテナの感度の差です。なにかを見聞きしたとき「あ、これは使えるな」と拾えるかどうかなんです。板っきれのように暮らしている人間からは、板っきれみたいな話しか出てこないんですよ。

(p149より引用)

 作家とブロガーとで求められる資質は同じだろう。ブログを始めるのは、無料だし、文字を書けさえすれば、誰にでもできることだ。実際、日本におけるブロガーの人口は、数千万人にも達するといわれる。

 ここで、いわゆるアルファブロガーと、凡百のブロガー達とを分けるのも、平山氏が指摘する"アンテナの感度の差"だろう。人気ブロガーの熊谷真士氏は、スタバでダベる女子大生の会話から、大ヒットの記事を編み出した。この女子大生の会話を、同じくその場にいた何人もの人たちが耳にしていたはずだが、これを"ネタ"へと昇華したのは、熊谷氏ただ一人だったのだ。これが"アンテナの感度の差"というものだろう。

 ブログを書いていると、「ネタ切れ」に突き当たる。ネタを求めて、必死にアンテナを張るようになる。すると、今まで何気なく聞き逃していた言葉、何となく聴いていた音楽、無意識に眺めていた標識、そういった事柄から、ふと"面白み"や"疑問"がたち現れる。これはすなわち、その人のアンテナの感度が高まったということだ。このように、継続的にブログを書くことは、自然とその人のアンテナの感度を高めることになる。


4. 知識・経験が自分の中に定着すること (インプットの質が高まること)

  最近、樺沢紫苑著『学びを結果に変える アウトプット大全』を読んだ。本書の主張は、アウトプットすることが、良質なインプットには不可欠だということだ。3冊本を読んで全くアウトプットしない人よりも、1冊読んで1冊書く人の方が優れていると樺沢氏は言う。自分が読んだ本や観た映画、聴いた音楽、食べた料理。それらをブログ記事へと昇華させることで、得られた経験・知識を自分自身の中に定着されることができるのだ。

 『アウトプット大全』を読んで以降、私は読んだ本については必ず記事を書くようにしている。以前までは、書評ブログなど巷に溢れている、いわゆる"レッドオーシャン"だから、自分が書いても何のメリットもない、と考えていた。「書評ブログは稼げない」なんてブログ記事を見かけたこともある。だが、確かに書評で銭は稼げないが、それ以上に"銭を稼ぐ力"を身に付けることには繋がるのだ。

学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)

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5. 人間関係の構築につながること

  ネットの世界というのは、現実世界と比較すれば、圧倒的にフラットな場である。『釣りバカ日誌』のように、ふとしたきっかけで社長と仲良くなる、なんて事は現実世界ではありえない。だが、ネットでは、そんな事が十分起こりうる。"地位"や"立場"を超えて、人と人が繋がりうるのがブログの世界だ。

 とは言いつつも、恥ずかしながら私自身は、ブログを始めたばかりの超初心者で、このメリットを実感したことは無い。強いて言えば、森博嗣著『ジャイロモノレール』の書評記事を公開した直後に、人気ブロガー・フミオフミコ氏が読者登録して下さった。これには、非常に驚いた。こういった形で、ネットの世界においては、"新入社員と社長が友達になる"ような出来事が起こりうることに、感激した。


6. 自分自身の広告媒体を持てること

 高木徹著『戦争広告代理店』という本がある。ボスニア紛争において、アメリカの広告代理店が果たした役割について、取材・分析した本である。広告の力により、「ボスニア・ヘルツェゴビナ=善」、「ユーゴスラビア連邦=悪」という風に世論が操作されたことが、ボスニア紛争の勝敗を決したという。このように、"広告媒体"の力とは、国際政治を左右しうるほどに、強力なのである。

 ブログやSNSといったサービスは、個人用の"広告媒体"といえる。こういった個人用の広告媒体が登場したことは、世の中の社会のパワーバランスを大きく変える出来事だろう。現代社会においては、"東大卒"という肩書よりも、"Twitterのフォロワー数10000人"の方が、価値があるかもしれない。

 仮に貴方にTwitterのフォロワーが10000人いるとしよう。例えば、会社でセクハラ・パワハラを受けそうになっても、"Twitterで10000人に貴方の実名を拡散しますよ"と脅せば、それは強大な抑止力となる。つまり、ブログやSNSといった個人媒体は、立場や地位など無くとも持ちうる、超強力なカードなのだ。これを持たない手はない。ブログやSNSのフォロワーをコツコツと増やし、強力な武器へと磨き上げることは、これから先、生き延びる上で必須だろう。 

ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争 (講談社文庫)

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7. 構想力・企画力がつくこと (+ 創造欲が満たされること)

 日本企業においては、ITベンチャーとかは別にして、未だに年功序列の考え方が根強く残っている。若手社員の間は、地味な下積み期間だ。社内の競争に勝ち残り、しかるべき地位についてようやく、自分のやりたい仕事ができる。日本企業とは、そういうシステムである。だから、若い間には、何かを一から生み出すような機会は、なかなか得られない。企画職を志望して会社に入ったのに、営業に回されて、やりたくもない仕事をやっている、なんて人も珍しくないだろう。

 一方で、ブログとは、すべて自分で出来る場である。すべて自分でやらねばならない場とも言い換えられる。記事の執筆、デザイン、宣伝、マネタイズ...etc。経験・実績・地位など関係なく、自由自在に企画・構想できる場である。

 また、"何か自分の作品を創造したい"と思っている人は多いだろう。会社員として働きつつも、本当はアーティストや作家、ミュージシャンといったクリエイターとして働きたい、と思っている人は多いだろう。ブログとは、そういう創造欲を満たせる場でもある。アンディ・ウィアー『火星の人』のように、ブログに執筆していた小説が、世界的ヒット・映画化に結びついた例もある。『もしドラ』のように、ブログ記事がきっかけとなって、ミリオンセラーが生み出されることもある。

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

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8. 自己承認欲求が満たされること

 私は自己承認欲求が強いことを自覚している。子供時代から今に至るまで、他人に褒められたいばかりに、楽しくもない勉強に精を出し、某京都の国立大学に入り、一部上場企業に入社した。振り返れば、人に褒められたいと思うばかり、本当に自分のやりたいことに目をつぶり、他人の望むように生きてきた。自己承認欲求とは、かくもやっかいな代物であることを、自分の身をもって学んできた。

 自己承認欲求を健全に満たす場があれば、この欲求に振り回されずに、まっすぐと人生を歩むことが可能になるだろう。その為の手段として、ブログは有効だと思う。

 精神科医岡田尊司先生の著書の中に、「安全基地をもつこと」の重要性が書かれている。安全基地とは、例えば家庭のように、何があろうと、自分自身を肯定的に受け入れてもらえる場の事である。学校や会社で過ごしていると、他人に肯定されるよりも、むしろ否定される事の方が多い。だから、そうした他者からの攻撃をしのぐための"安全基地"が重要となる。かといって、プライベートで過度に人に承認を求めることは、"ウザい"と思われかねない。そこまで他者に頼りたくない人もいるだろう。だから、ブログという"自分が承認される場"を仮想世界に構築することは、賛否両論はあろうが、私は"有り"だと思う。それによって、他人に承認されることのない現実世界を、何とかやり過ごせるならば、それは良い事ではないだろうか。

パーソナリティ障害―いかに接し、どう克服するか (PHP新書)

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9. ユーモア感覚が磨かれること

 ブログの楽しさの一つは、自分が面白いと思う文章を公開することである。好意的な反響があれば、自分のユーモアセンスの確かさが保証される。イマイチ受けなければ、自分ってあまり面白くないのかと自覚することができる。

 皆さんの周囲にも、"全く話が面白くない、おしゃべり好き"が一人はいるだろう。そんな人に対して、現実では「悪いけどお前の話、つまんねぇよ」なんて指摘してくれる優しい人(あるいは厳しい人?)は、ほとんどいない。しかし、ネットならば、つまらない記事を書けば無視される。あまりに酷ければ酷評される。逆に、めちゃくちゃ面白ければ、「いいね!」されたり、Twitterで拡散されたりする。自分のユーモア感覚のレベルに応じて、何らかのフィードバックが返ってくるのだ。

 京大総長の山際寿一先生の本の中に、"ユーモア感覚を持つこと"が社会を生き抜く上で重要であるとの記述がある。アフリカでのフィールドワークの際には、現地の荒くれ者たちと渡り合う必要がある。「コイツはおもろい奴だ。敵にするには惜しい」と相手に思わせなければ、金を奪われたり、最悪殺されたりすることになるそうだ。将来AIが台頭し、人間の仕事が奪われるという話もあるが、"ユーモア感覚"というのは人間特有のスキルとして、今後とも重要になるだろう。 

 いつかは、漫才やコントをつくる、"おもろいAI"なんてのも出来るのだろうか...?

京大式 おもろい勉強法 (朝日新書)

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 以上、私が考える、ブログを書くことの9つのメリットを紹介した。もし皆様が、人から「ブログなんてやってるの?(笑)」とか「ブログなんて儲からないよ」のように言われる機会があれば、ぜひ以上に挙げた言説をもって反論して頂きたい。この記事が読者にとって、ブログを始めるきっかけ、あるいはブログを続ける原動力になれば、なによりである。ブログ超初心者のくせに、何偉そうに言ってやがるんだ、という話だが。